感染制御認定薬剤師の認定試験は、毎年春~夏にかけてあります。
2021年は5月にありました。
過去の記事では、感染制御認定薬剤師の認定試験を受けるまでにどんなスケジュールで短期的に準備をしたのかを書いてきました。
対して、今回は感染制御認定薬剤師を目指すにあたって、日々どんな勉強をすればいいのかといった、長期的な研鑽について解説していきたいと思います。
資格を取得するためには日々の積み重ねが大事です。
今回は、
- 自分が認定を取得するために何年勉強したのか
- 具体的な勉強方法
- おすすめのテキスト
などを紹介していきます。
何年間勉強したのか
結論としては、3年半です。
私自身、5年目で感染制御認定薬剤師を取得しました。
感染症や抗菌薬に興味を持ったのは1年目の頃からでした。
半年くらいで、通常の業務にも慣れてきて、そろそろ専門性を磨きたいなと思っていた時に、
あるテキストを購入したことがきっかけです。
つまり、1年目の秋に始めたことになります。
最初に購入した抗菌薬の本が良書であったこともあり、それからは抗菌薬の魅力にどんどんはまっていきました。
いつしか「テキスト代は必要経費」と思ってどんどん知識を取り入れるために購入していきました。
今では10~20冊の感染、抗菌薬に関わる書籍を所持しています。
具体的な勉強方法
では、日々どんな勉強をしてきたのかということですが、
一言でいうと、「雑誌感覚」の勉強です。
もともと本や雑誌を読むことは好きです。
それと同様に、感染症の本も雑誌感覚で、スキマ時間に眺めることが多かったです。
つまり、「勉強時間」として時間を取ってデスクの前に。という感じではありません。
単なる興味で勉強していた感じです。
また、学生時代とは違い、勉強したことがすぐに臨床に生かせるのは社会人になってから勉強するモチベーションです。
どんどん知識を取り入れて、実際の患者さんの診療の支援をしたい。
そんな思いで今も勉強をしています。
今は、書籍を購入するよりも、最新の知見を確認するために、医学雑誌や論文を検索して読むことの方が多くなりました。
これから勉強を始める方へおすすめのテキスト
私がこれまでに使用してきたテキストの中で、
これから勉強を始める初学者におすすめのテキスト
をいくつか紹介していきます。
選択肢は4つです。
まずはこの4つの中から1つ選んで買ってみてください。
どれも最初の1冊としては最適だと思っています。
抗菌薬BOOK&MAP
今、一押しの初学者向けのテキストです。
抗菌薬とは?
細菌とは?
このレベルから使える本です。
よく使う抗菌薬の違いから、細菌分類の覚え方、感染治療のアセスメントの仕方まで
感染の勉強を始めたばかりの方から、ある程度勉強した方まで幅広く活用できるテキストとなっています。
さらに、“抗菌薬MAP”という、臨床で活用できる内容を1枚でまとめたものも付属しています。
白衣のポケットに入れて、病棟業務などいつでも取り出せるようにしておくと、よりいいアセスメントができるし、すぐにわからないことが確認できるので勉強にもなります。
絶対わかる抗菌薬はじめの一歩
ロングセラーの抗菌薬本です。
時代の移り変わりが早い医療業界で、10年以上親しまれています。
この本は、抗菌薬の分類から使い方まで幅広く具体的に記載されています。
内容は抗菌薬に特化しており、特に抗菌薬の具体的な特徴が知りたい方はこの本から始めるのが良いと思います。
ちなみにこの本は、私が1年目の頃に初めて買った抗菌薬の本で、知識の礎になっています。
感染症プラチナマニュアル
感染症を幅広く勉強したい。
臨床でも活用できる本が欲しい。
そんな方にはおすすめの本です。
私も臨床現場でよく使っています。
この本のメリットは、感染部位、原因菌、抗菌薬、それぞれに関して広く知識が学べることです。
抗菌薬に特化していない分、“感染症”という分野をざっくり学びやすいです。
しかも数年に1回は改訂されるため、論文を購読する習慣がなくても最新の知見を知ることができます。
著者の岡先生は引用論文にPMIDを記載してくださっているので、原著論文を読むきっかけにもしやすいのが特徴です。
研修医の先生でも多くの先生が持ち歩いているのを見ています。
良書です。
抗菌薬選択トレーニング
抗菌薬の選び方を実践したい。
そんな方はこの本がおススメです。
簡単に言ったら、問題集です。
感染症や抗菌薬の知識がある程度身に着いたら、問題演習をして知識を定着させるのが良いですね。
基礎的なレベルから、応用編の問題まで幅広く掲載されています。
初学者から、感染症を専門にしている人まで多くの人が活用できるテキストだと思います。
まとめ
感染制御や抗菌薬は、薬剤師から敬遠されがちな分野の一つです。
難しいと思われるからですね。
しかし、感染や抗菌薬は勉強すればするほど楽しい分野の一つでもあります。
この記事を読んでいる皆さんは、認定を目指している方も多いと思います。
勉強法は人それぞれですが、日々の積み重ねで身になることはたしかです。
少しずつ勉強して、臨床に生かして、認定を目指しましょう。